ビカクシダの成長点や板付けの際の上下の見極め

育成ノウハウ

「この株は板付けにむいているか?」

「板付けしたいけど、どちらを上向きにするかわからない」

こういう悩みを持った方に読んでほしい記事です。

ビカクシダイアリーへようこそ。

今回の記事では、ビカクシダを生育するにあたり、板付けの際の成長点の上下の見極め方、板付けに向いている株とそうでない株について、書いています。

まず、成長点の向きについては、こんな感じにできれば合格です。

成長点とは・・・植物が勢いよく成長をする部分

成長点の定義からいうと「成長点とは、植物の根や茎の先端にあって細胞分裂を行う部分」

つまり植物が勢いよく成長する部分の事です。ここから植物の先端方向へ向かって細胞が次々に作り出され、植物は茎・葉を伸ばします。

ビカクシダの成長点

「現在ある葉の根元辺りにある、モフモフした芽のような部分」のことです。

ここから、貯水葉や、胞子葉になる新芽が成長してどちらかの葉になっていきます。

どちらの葉になるのかは、最初はわかりませんが、数日するとその形で予想がつくようになります。貯水葉になる新芽は丸っこい形をしています。胞子葉になる新芽はなんとなく長いです。

待ち遠しいですが、どちらになるのか、楽しみに待っててください。

写真で見てみましょう。

貯水葉の新芽か、胞子葉の新芽かわかりますか?

やや丸いのが貯水葉の新芽、先がとがっているのが、胞子葉の新芽です。

植え替える時の成長点の位置

最初に購入したポットや鉢植えから、板付け、または苔玉に植え替える時には、成長点の位置に留意しなければいけません。

どんな風に仕上げればいいのでしょうか?

それは・・

原産地の自生のビカクシダの様子に近いようにするのがベストでしょう。

ビカクシダは自生環境では樹木に張り付いて成長しています。

pisauikanによるPixabayからの画像

こんな感じです。

ビカクシダの成長点(新しい葉を展開するところ)の状態

  • 地面に対して垂直になるように張り付いている
  • 新芽は正面から見て時計の12時の方向から生えている = 成長点の位置が12時の方向(上)
  • 親株は上を目指して立ち上がるように成長している
  • 貯水葉は左右対称に展開し、繋ぎ目が垂直🕧になっている。一方、胞子葉は日照を追い掛けるように伸びる。(上下左右の基準にはならない)
  • 胞子葉は日照を効率良く得られるように地面に対して水平に伸びる、一方貯水葉は左右から成長点を包み込むように展開する
  • 成長点は貯水葉を足場に上を目指して伸びていく

板付けする時の成長点の向きと葉の向き

板付けすることを前提に、要領を書き出してみました。

  • 成長点が正面から見て12時(上)の方向になるように
  • 成長点が上を向くように板付けするとビカクシダの上下が整う
  • 貯水葉が左右対称(正面から見て繋ぎ目が縦)になるように
  • 成長点は板に触れないように、水苔の山のてっぺんに位置付ける
  • 胞子葉に日が当たりやすいように
  • 成長点が複数ある場合は大きい株の角度を優先する
  • 吊り下げ部分は針金など強度の高い材質を使用する
  • 一度貼り付けたら余程問題がない限り、成長が安定するまで手を加えない

板付けに向いているもの

  • 成長点が1つであり、その根元から葉が展開しているもの
  • 葉が向き合わせに生えていて、一株にまとまっているもの
  • 複数あった株を成長点ごとに1つずつに分けた時、根の量が少なくないもの

初心者にはシンプルにまとまった株を購入されることをお薦めします。私が一番最初に購入した株は、小ぶりで板付けに向いていました。

ビカクシダ コウモリラン ビフルカツム ネザーランド 3号ポット(全長15~20cm前後)(大型商品との同梱不可)

価格:658円
(2020/11/28 22:02時点)

いろいろなケースへの対応

密生している場合

新しく板付けする株が「1つの成長点、数枚の葉、根っこ」の組み合わせだといいですが、必ずしもそういう株ばかりではありません。

例えば、鉢植えからの植え替えの時や、ポットで売られているビカクシダの板付けの時、上下を決めるのが難しい場合があります。

  • 成長点が2つ以上あったり
  • 複数の成長点が近くにあったり
  • 葉が別々の方向を向いていたり
  • すでに貯水葉がぶつかり合っていたり、めくれあがっていたり
  • 大きく広がった貯水葉によって胞子葉が押し曲げられていたり

相手は植物ですから、二つとして同じものはありません。個性的です。

でも、どのビカクシダも大きくなるにつれてその勢力を拡大して、おしあいへし合いになります。

何株あるかわからないくらいの密生状態になってしまうものもあります。

そうなる前に、成長点ごとに板付けにしてあげるのが一番いいです。そうすると、その後の育成もしやすいです。→株分けへ

あと、胞子葉が放射状に伸びている、貯水葉がない、成長点もまだ見当たらない。そういうのもあります。

成長点を上にしたら葉の向きが変になったということもあります。

それは、本来木の幹に着生するビカクシダが、上下がないポットや鉢で育った事により起こったことで、一度ついた葉の形は矯正できません。無理にやると、傷ついてしまいます。板付の際に向きで調整しましょう。

ホームセンター等でポット販売されているビカクシダは、1ポットに2株以上密生していることも少なくありません。オンラインショッピングで売っているものでも、〇個で〇円、といった安価なものの中にはかなり成熟して茶色くなった貯水葉が、胞子葉の向きを圧迫している物もあり、そういう株は初心者には扱いにくいです。

株分けとなる場合

ビカクシダを育てる上で、株分けは避けては通れないことです。

密生している株、成長点が複数ある株は、綺麗に育てたいのであれば、1つ1つ丁寧に株分けをしましょう。

但し、分けた後に根が少なかったり、葉の根元が細すぎたりしていたら、うまく育たない事もあります。成長点を傷つけず、ある程度の分量の根っこを残してあげるとその後生育する確率が上がります。

最悪の場合、株分けした全部が育たないということも起こります。

実際に私も経験しました。かわいそうなことをしました。

株分けの自信がない場合は、そのまま苔玉に仕立てるという方法もあります。

あるいは、ワイルドに、複数の株をそのまま板付けにして、様子を見るという方法もあります。将来的に分けるということで。

少しかわいそうですが、向きが反発しあっていて、至近距離にある成長点は、1つを上向きにして、もう一つは潰すという方法もあります。

板の上下を後から変える方法

成長点の向きの見極めに自信が持てない人のための裏ワザですが、板の形を最初から縦横が同寸の、例えば丸、正方形、五角形、六角形・・・等にしておくと、万一、後から板付けの角度が間違っていたとわかった時に板を吊り下げる穴をかえることで、調整がつきます。コルク板でも大丈夫でしょう。

まとめ

  • 成長点は板付けの場合は水苔の山のてっぺんに上向きにセットする
  • 貯水葉が成長点の左右にくるようにする
  • 成長点が複数ある場合は板付けか苔玉か、向いている方にする(選択肢①)
  • 成長点が複数ある場合は大きい株に合わせて角度を決める(選択肢②)
  • 成長点が複数ある場合は株を分ける方法もあるがリスクを伴う(選択肢③)
  • どうしても困った時は板ごと回転させる

以上、成長点について書きましたが、参考にしていただけたら嬉しいです。

最後までお読み下さりありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました