私がビカクシダの鉢植えをすすめない理由

育成ノウハウ

人の好みは様々で、ビカクシダをどのように育てようと自由ですが、私の個人的な意見としては、鉢植えのままで育成するのは好きではありません。

その理由は「本来の美しさが引き出せない」からです。

この記事を読むと、「ビカクシダ?板付けにしてみようかな」という気持ちになります。

ビカクシダイアリーへようこそ。

今回は、知人のお宅から預かってきたビカクシダの成長の様子を通して鉢植えのビカクシダはどうか?という記事となっています。

可哀想だったビカクシダ

上の写真は知人宅にあったビカクシダです

知人は本来、大の植物好きで、多肉、ハーブ、野菜、観葉植物、等々何でも育てている人ですが、それでもこれが「ビカクシダ」という名前であることは知らなかったようでした。

たまたまですが、私がビカクシダについて熱く語ったところ「どうもそれが家にある」ということで、見せてもらい、さらに私が家に引き取って育てるということになりました。

彼女はこの植物の名前も知らなかったくらいですから、当然育て方も知らなかったようで、水苔もなく、水はけも悪く、風も当たらない、ガラスの器の中で育てられていました。

葉は貯水葉はあるもののよじれていて、胞子葉は徒長していて、向きもバラバラで、ビカクシダ独特の美しさが損なわれた状態でした。

私が鉢植えをすすめない理由

本来の環境とかけ離れているから

ビカクシダというのは、もともと熱帯性気候の木の幹に着床して育つ植物です。

参照:ビカクシダが育つ環境

ビカクシダは・・・

  1. 水はけがよい環境を好み、根が蒸れるのを嫌う
  2. 風通しが良い所を好む
  3. 日差しは必要だけど、強い直射日光を嫌う

鉢植えというのは必ずしもこれらの条件を満たしていない環境で育てるということになります。

どうしても鉢植えで育てるならば、水やりは上からかけるのではなく、土が乾いたら、水をためた深めの皿に浸して、下から水を吸わせてください。たっぷり水を吸ったら、水に浸したままにはせず、水を捨ててください。

本来の美しさが引き出されないから

pisauikanによるPixabayからの画像

先ほどもいいましたが、ビカクシダは本来、熱帯性気候の中にあって、木の幹に着床して育つ植物です。上の写真のように。美しいですね。

立派な貯水葉が足元に広がり、そこから鹿の角のような胞子葉がピンと張り出している姿こそがビカクシダの本来の姿です。これに近づけることが、理想的な育成方法だと思います。

鉢植えにすると、このように美しい姿にはなりません。

ビカクシダを育てるならやっぱ板付けでしょ

ビカクシダを立派な姿に育てるにはやはり「板付け」が最高です。

水はけ、風通しの事を考えてもやはり「板付け」です。

というわけで、知人のお宅から預かってきたビカクシダは板付けにすることにしました。

板付け後の様子

板付けをするにあたって、今回の株の問題は

葉があちこちの方向をむいている

貯水葉が大きく広がっているが、めくれあがっていて葉を圧迫している。

ということでしたが、とりあえず、貯水葉をかなりカットして、コルク板にくくりつけました。

ご覧ください。ひどい状態です。

その後4ヵ月お世話をしました。

これってカイガラムシ?

ビカクシダの葉のトラブルといえば、代表的なものに

  1. カイガラムシ
  2. 炭疽病

がありますが、どうも、そのヒラタカタカイガラムシではないかというのを発見しました。 我が家のビカクシダは戸外に出さないので、カイガラムシはどこからも来ないと思っていましたが、「これってカイガラムシ?」ということで、思いきって葉の根元からカットしました。

カットした葉っぱです。ベタベタも写っていますね。

カイガラムシの動画を見たことがありますが、この茶色くて小さくて丸いのを剥がすと、下にものすごく小さいカイガラムシがうじゃうじゃと動いているのですからたまりません。

カイガラムシ特有の、べたべたした液がついています。これは排泄物だそうです。うぇー。

カイガラムシはメスだけでも増えるらしくて、一匹でもいたらどんどん増えるんですね。見つけたら薬で除去するとか、拭き取るとかできそうですが、一匹でも残っていたらいやだし、触るのも気持ちが悪いので、さっさと葉をカットしました。

他のビカクシダを検査しましたが、今のところ被害はないようです。

徒長した葉は成長してきれいになるのか?

結論からいうと、きれいな形にはならないようです。

「徒」というのは、むだ、とか、無益なこと、とかいう意味があります。

無駄にびよーんとのびた葉っぱのことでしょう。原因は「日光不足」ということです。

ビカクシダは日光を好み、日光が足りないと、葉っぱの色が黄色くなったり、びよーんとのびたりします。

但し、強い直射日光に長く当てていると、葉焼けをおこしてしまいます。

夏場は、日陰か、室内のカーテン越しの光をあてましょう。

今回紹介したビカクシダも、知人の家のリビングにおいてあったので、完璧に日光不足の状態でした。

板付けにした後も、葉の付け根が細くて、なかなかビカクシダ独特の形にはなりません。

徒長した葉は太くはならないようですね。次から展開してくる葉に期待です。

下は板付け後、3ヶ月すぎの写真です。横からの方がよくわかります。

新しい葉が成長したら、徒長している葉はカットするつもりです。

これからのこと

私はこの株が何という種類なのか?ビフルカツムか?交配種か?よくわからないのですが、順調に大きくなったら、判別ができると信じて育てていきます。

胞子葉の新芽も出てきているし、貯水葉もいずれまた大きく展開したらいいなと思います。楽しみです。

あ、持ち主に返さなくちゃか( ´∀` )

皆さんも、日当たりと風通しとカイガラムシに気をつけて育ててくださいね。

今回は以上です。最後までお読み下さりありがとうございました。

最後は板付け後8ヶ月経過後の姿です。みちがえるほど整ってきました。

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