ビフルカツム・ネザーランド 成長点が2つ以上ある場合の取り扱いについて

育成ノウハウ

「ビカクシダの成長点が2つ以上ある場合どうするべきか?」

そういう質問に対しての記事となっています。

ビカクシダイアリーへようこそ。

何でも、生き物や植物を育てるのは楽しい事ですね。

ビカクシダを育成する時、うまく生育するように、株の生育具合を見て、適切な形にしてあげる事が一番たいせつですが、今回は楽天市場で購入した3号ポットの株をもとに、成長点が2つ以上ある株の取り扱いについて書いていきます。

上は、初めの状態の写真です。葉が入り組んで、成長点が2か所、葉の裏に見えています。あまり素直な株ではありません。

向きもよくわからないので、困りました。

考えられる取り扱い方法は主に3つあります。 個人的な意見を交えそれぞれ説明します。

  1. 株分け~板付け
  2. 苔玉
  3. 鉢植え

株分け~板付けにする

成長点ごとに株をわけ、板付けする

参考記事【初心者向け】ビフルカツム・ネザーランドの株分け~コルク付けまで

たいていの場合、成長点ごとに株をわけ、板付けにすることはできますが、但しそれぞれの株の根っこが少なかったり、未成熟だと、株分け後にあまりよく生育しないこともある、ということがわかりました。

全部の成長点を生かそうとして、逆に全部を生育不全に陥らせてしまうリスクもある事を知っておいて下さい。

恥ずかしながら、私の失敗例をお見せします。でも、失敗といえども、まだお世話を続けており、あきらめてはおりません!!

茎は細く、葉はしなしな。何とか生きている感じです。

そもそもこの株には成長点がありません。茎の根元には必ず成長点があるのか?というと、そうでもないみたいなのです。

成長点のように見えたのは何かちがうものでした。(涙)

根が少ない株は、なかなか育ってくれませんので、参考にして下さい。

元気のいい葉や成長点を中心に板付けする

元気のいい葉や成長点を中心に板付けし、ある程度成長してから、邪魔になる芽をカットする方法もあります。なんかちょっと可哀そうですけど、実際のところ無理に根を分けない方がよく育つようです。

苔玉に仕立てる

苔玉は成長点の数も向きも関係なく、作れます。成長点が複数あって、分けるとそれぞれの株が小さすぎて育たないかもしれない、あるいは複数ある成長点の位置が近すぎて、切り離せない、そんな時は苔玉にするといいですね。

苔玉の作り方

使うもの:水苔、ベラボン(ココヤシチップ)は自由、しばる物(ミシン糸、紐、テグス等)ぶら下げるための物(ワイヤー)

  1. 水苔、ベラボン(使いたい方は)は前日から水にもどしておきます
  2. ポットからとりだし、根を傷つけないように、余分な土を洗い落とします
  3. 手のひらに水苔を広げ、根っこを包むように丸め、水苔をたしていき、テグスでグルグルまいていきます。ベラボンを使う場合はベラボンが玉の核の部分にくるようにします。葉の向きは貯水葉が左右に位置するように、貯水葉のうえに成長点が時計の12時の位置に乗るように、です。成長点が複数あれば、いちばん大きい株の向きにあわせます。

巻きがゆるいと水苔がボロボロ落ちてきますが、あまりにも巻きが強いと根の成長を妨げますので、その調整が難しいところです。

いきなりテグスで巻くのが難しかったら、いったんは糸や麻ひもで巻いておいて、水苔が落ち着いてから、テグスで巻き直してもいいです。

巻き直す時は、テグスで巻いた後に、紐をカットすればいいですよ。

苔玉は正面がないので、お部屋の空間にぶら下げたりでき、お洒落です。ぶらさげる紐をお洒落な素材のものにすれば、さらに見栄えがよくなります。

苔玉のお世話

水やりのタイミングは、手で持った時、スカッと全体が軽くなって、苔玉の下の部分が乾いた時です。バケツに水をはってドボンとつけ、しばらく放置。水苔にたっぷりと水を含ませます。あとは風通しのよいところにぶらさげて、蒸れを防ぎます。

鉢植え

私の個人的な意見ですが、鉢植えはお勧めしません。

・・というのは、鉢植えは、本来のビカクシダの姿ではないからです。根っこの水はけがよくないし、貯水葉の展開も本来の形からかけ離れて崩れたものになります。

やはり、ビカクシダの美しさは、しっかりと張った貯水葉と、ピンと前、上に向かった胞子葉にありますからね。

今回の株は苔玉にしました

苔玉作りは、作る途中で水苔がボロボロ落ちてなかなか難しいです。助手がいれば、かなりスムーズにいくと思いますが、私には助手がいなかったので、一人でやりました。

初め、水苔をたしながらミシン糸でグルグル巻いていきました。うまくいきましたが、数日してから苔玉がぎゅっと堅く感じたので、テグスで巻き直してから、糸をほとんど抜き取って、玉を少しほぐしました。

一人で作業する際に糸を使う方法はかなり扱いやすいです。糸は後で抜けばよいので仮結び的に使えると思います。

苔玉のメリットは、根っこのダメージがないので、葉が元気な事です。

最初の写真のような、葉が絡み合ってる株には苔玉は向いていると思います。

板付け、苔玉、どちらのテクニックも、経験を重ねて、手で覚えていくしかありませんので、思い切っていろいろな形にトライしてみて下さい。

苔玉3ヶ月後

写真は成長点が2個あった株を苔玉にしたものの、3ヵ月経過後の写真です。

画面中央やや下あたり、2個それぞれの成長点がわかりますか?

胞子葉とみられる新しい葉が育ってきています。今は冬で成長が緩やかですが、次の春からの成長が楽しみです。

苔玉6ヶ月後

あら。暖かくなって、貯水葉がどんどん大きくなってきました。

貯水葉の成長が胞子葉の成長を追い抜いた感じです。

前回の写真にはありませんでしたよね。

実はこの株、貯水葉の先端部分にもう一つ成長点があって、胞子葉が成長中なんですね。おそらく、貯水葉がめくれてしまうのではないかと思います。

しばらくは自然な展開に任せることにします。

胞子葉の先も割れてきています。

今年の夏の成長が楽しみになってきました。

苔玉7ヶ月後

夏になると、貯水葉の成長がどんどん進みます。

でも、全てのビカクシダにあてはまる事ではありません。

私の育てているビーチーは冬場に貯水葉が大きくなっていました。

苔玉ですが、貯水葉が別の成長点から出ている胞子葉をグイグイおしています。これに負けじと胞子葉も貯水葉を押し上げています。

ワイルドとはいうものの、今後どうしたものか・・・・

苔玉8ヶ月後

この苔玉のビフルカツムには、成長点が2つあり、いよいよそれぞれの成長が著しくなってきました。

貯水葉の下から出てきた胞子葉は大きくなり、貯水葉を盛り上げています。またそれと対抗するように、貯水葉が胞子葉を圧迫しています。

そこで、胞子葉を圧迫している貯水葉を、カットして絶賛成長中の胞子葉を解放してあげました。

新しい胞子葉も出てきています。ここから新しい貯水葉も出てきそうです。

それと同時に、従来からあった貯水葉のところの成長点からは新たに、貯水葉が育ってきています。

それぞれの葉は互いの位置などお構いなしに精一杯成長しようとしますから、そうなるともうぐちゃぐちゃになることが予想されます。

自然の成長に任せて、手を加えずに貯水葉と胞子葉が入り乱れて、ワイルドな苔玉を目指すという選択肢もありますが、私は個人的には「圧迫されている状態」はあまり好きではありません。

そこは、全く好みのもんだいですが・・・

結局・・・

今後、2つの成長点が互いの勢力争いを展開するのはわかりきっていますので、

苔玉をほどいて2つの板付けに仕立て直すという方向でいきます。

突然ですが、可愛かった苔玉とは、ここでサヨナラすることになりました。

今まで、ありがとう。(@^^)/~~~

初めに無理な株分けをせず、苔玉にして観察してきたのは大成功だったと思います。

ビカクシダの成長点が2つ以上ある場合のまとめ

胞子葉、貯水葉はあるものの、成長点がまだ活発に動いていない株は

  • 無理に株分けをすると、成長が止まることがある
  • 根が少ない株は育たない確率がたかい
  • そのまま板付けにして成長を待つ方法はOK
  • そのまま苔玉にして成長を待つ方法もOK
  • 大きい方の成長点を残して、小さいほうの成長点は潰すこともあり

そして、貯水葉、胞子葉、成長点、それぞれが活発に成長して、株分けをしても、それぞれの株が十分に育つ力を持っていると判断したら、成長点ごとに株分けをしても大丈夫でしょう。

でも、根は傷つけないように気をつけて下さいね。

では、また。

最後までお読み下さりありがとうございました。

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