ビカクシダ・ビーチーの生育記録(2020年11月~)

生育記録

ビカクシダイアリーへようこそ。

ビカクシダ・ビーチー(Platycerium Veitchii)の苗を通販で購入しました。これから大きくなるよう、育てていきます。その過程を日記のように綴っていきます。

筆者は「ビカクシダ・ビフルカツム・ネザーランド」の生育経験はありますが、ビーチーは初めてです。うまく育ってこの記事が皆さんの参考になればよいですが、もし、うまくいかなくても、失敗を避けるための参考にしていただけるとよいと思います。

ビーチーの様子や、生育の過程で気をつけたこと、後から悔やんだことなどを、無意識に通り過ぎず、文字にしていきたいと思います。

では、はじまり、はじまり~。

ビカクシダ・ビーチーについて

先にビカクシダ・ビーチーについて簡単に紹介しておきます。

  1. 名前をビカクシダ・ビーチー(学名:Platycerium Veitchii)以後ビーチーといいます。オセアニア系のビカクシダです。
  2. 原産地はオーストラリアの東部
  3. 特徴は、先端が細く尖った貯水葉とまっすぐに伸びる胞子葉をもつこと。
  4. 胞子葉は分厚い星状毛に覆われて白っぽく見える。
  5. 日照が少ないと間延びした、幅広の葉になり、下に垂れてしまいます。
  6. 葉は長くピンと伸びた先の方で分かれ目ができます。
  7. 耐乾性に優れている。

ということで、冬場の水のやりすぎと、日照に気をつけて育てたいと思います。

ビカクシダ・ビーチーの新しい苗

通販(楽天市場)の提携先販売店から宅急便で届きました。

包装は過剰ではなく、かつ、ポイントを押さえた梱包で、根も葉も傷のないきれいな状態で届きました。

中はこんな様子です。

セロファンを外しました。ようこそ、ビーチー。

Platycerium Veitchiiの苗

成長点を、近くで撮影しました。わかりますか?

嬉しい事に胞子葉と、貯水葉の赤ちゃんがすでに出ています。成長点の左下の淡い緑色の短いのが、胞子葉です。成長点の間近の小さい丸いのが貯水葉です。とても良い苗が届いたと思います。

板付けに採用する板について

今回、ビーチーを板付けするにあたり検討した板は3種類。

  • 焼杉板
  • バージンコルク
  • へゴ板

着生しやすさの順番

へゴ板→バージンコルク→焼杉板

入手しやすさ

TOKYU HANDSとか、お洒落なガーデンやさんにいけば、好きな形、大きさの物を選んで買うことができます。そういうお店がない市町村にお住いのかたは、ホームセンター頼みになりますが、私の街のホームセンターには在庫はありませんでした。

杉板を自分で炙って焼杉板を作れるといいですが、できない人は購入となります。

どれも通販で入手できますので、同順ということで。

オシャレ感

好みもありますが高い順から

バージンコルク→焼杉板→へゴ板

値段

安い方から順に

焼杉板→バージンコルク→へゴ板

水はけの良さ

へゴ板→バージンコルク→焼杉板

強さ

焼杉板→バージンコルク→へゴ板

しかくん
しかくん

いろいろ考えて、今回はこれにきめました

筆者は前にビフルカツム・ネザーランドをコルク板に着生させたので、今回は焼杉板を選びました。焼杉板を選んだもう一つの理由は、大きくなった時のフォルムを想像すると、フラットな板状がいいのかな~と考えたからです。そこは好みの問題です。

上の写真は今回「メルカリ」で探してきた焼杉板です。穴があいているので「通気性」と「水はけ」がいいです。根腐れ防止になればいいですね。

上の写真は、まとめて買ったコルク板です。板付けするならば、あまり小さいのは使い物になりません。表面が盛り上がっているのは水苔が乗りにくく、テグスでしばっているうちにボロボロと崩れやすいので、熟練者向きです。

でも綺麗に仕上がると、とてもお洒落な感じになります。コルクは水はけがいいのも長所です。

板付けに採用する紐について

今回、ビーチーを板付けするにあたり検討した紐は3種類。

  • テグス
  • ビニールひも
  • 麻ひも

強さ

テグス→ビニールひも→麻ひも

見た目の美しさ

テグス→麻ひも→ビニールひも

作業のしやすさ

ビニールひも→麻ひも→テグス

こうもりん
こうもりん

で、どれにするんですか?簡単な方がいいでしょう?

見た目重視で、テグスに決めました。

前日の準備

水苔とココヤシチップを水に浸しておく。

前回は水苔だけでしたが、根っこ辺りの水はけをさらに良くするために、ココヤシチップを準備しました。あく抜きしてあるのを買いましたが、水に一晩つけました。あくというのはタンニンです。タンニンは防腐剤の役目をしてくれるそうです。

ベラボンというのがココヤシチップです。大きい粒のベラボンLは在庫切れでしたのでこれになりました。

㈱フジック ベラボン・プレミアムの説明書きの写真

ベラボンの説明書きです。なんか、よさそうですね。

水に一晩、つけて戻します。水苔は乾燥すると水を弾きますので、夏場の水やりのときは、バケツに水をはり、板ごとザブンとつけてあげると、泡がブクブク浮いてきて、それからだんだんと水を含んでいきます。

一晩つけたら・・・

上の写真は「ココヤシチップ」の「あく」の色です。かなりでました。一度水を換えてみます。

6時間後の写真です。少し薄くなりました。

ビーチーを板付けする

まず、苗を洗います。根っこを傷つけないように、あらかた土をほぐして落としたら、バケツの中で優しく洗いました。根っこの部分を開いてみた写真です。

ビーチーの根の部分

では、作業にはいりましょう。

今回は板につけるということで、フラット面に山状に盛り付けるので、作業としては、コルク板より、楽だとみています。作業がしやすいように、空のペットボトルでこういうのをこしらえました。

空のペットボトル3本を養生テープで巻いたものです。この上に板を載せると裏側でテグスを結びやすいと考えました。

根っこの部分にココヤシチップを入れ、まわりを水苔で包む感じで板につけていきます。但し、杉板に穴があいているので、穴からココヤシチップがこぼれおちそうなので、穴のところに水苔を薄く敷きました。

根の部分にココヤシチップを載せて、板にこんもり積みます。そのまわりに水苔をのせて、手を離してもこぼれ落ちないくらいに固めます。

成長点が上に来るように山全体をぐるりと回して調整します。

テグスで、葉を傷つけないように注意しながら、固定させます。

やっていて気づきましたが、テグスは、糸巻から直接巻くよりも、先にカットしたものを穴に通す方が作業がしやすかったです。

対角線の穴にテグスを通して裏側で結びます。水苔がボロボロ落ちやすいので、水苔を足しながら、結んでください。テグスは結び目がほどけやすいので、3回~5回結びます。最初は板の下側で結ぶのでやや難しいです。3本程結んで、縦にしても崩れないのを確認したら、あとは補強的に何本か足していきますがそれは板を裏返して結べるので若干作業がしやすくなります。

しかし、くれぐれも、葉の方から地面に落したり、押し付けたりしないように、慎重に作業してください。いちばん根気がいるところです。

下の写真が、今回、焼杉板に板付けしたビカクシダ・ビーチーです。

成長点のまわりに葉が出ていて、どちらが上向きか迷いました。「貯水葉が出てきて、向きが間違っている」のが分かったら結び直すということで、今回はお疲れさまでした。

ビーチー板付け
しかくん
しかくん

どうですか?がんばりましたよ。

こうもりん<br>
こうもりん

初めてのわりにはよくできたんじゃない?

明日からの成長が楽しみですね。

板付けより1週間後

ビーチーは日照が大切だと聞いていましたから、部屋の中からガラス越しですが、日当たりのいい位置に置いてました。

貯水葉と胞子葉の変化は大きくはみられませんが、葉が白っぽくなっているのは健康な状態のようです。このままの調子でいきます。

板付けより2週間後

まだ大きな変化はありませんが、胞子葉は少し大きくなりました。貯水葉も丸っこく、それらしい形を見せ始めました。

板付けより3週間後

まだ、大きな変化はありませんが、貯水葉の成長は進んでいます。

温度管理については、室内温度を最低18℃となるように、夜間はオイルヒーターで部屋を温めています。日中はまだ自然の日光で20℃以上を保っています。

扇風機かサーキュレーターの弱い風で24時間、空気を回しています。

水やりは夏場ほど水苔が乾かなくなってきましたので、水苔の下の部分を触ってみて、乾いているときだけ潅水しています。2~3日に一度です。

潅水しなくても、葉水は毎日しています。

板付けより1ヶ月後

貯水葉が育ってきました。外気の温度が下がってきて、室内も寒くなってきました。夜間はヒーターを使用しても14度くらいです。10度を下回らないように気をつけていきます。

サーキュレーターは24時間、回しっぱなし。日中は南向きにして、日没後から就寝までの時間、植物用LEDライトを当てています。水やりは葉水は毎日、潅水するのは水苔がカラカラになってからにしています。3~4日に一度くらいです。

貯水葉あたりの拡大写真ですが、なにやら、いくつも成長点らしいモフモフが見えてきました。どう展開していくのか、楽しみです。

葉っぱどうしがぶつかって、ぐちゃぐちゃにならなければ、いいですが・・・。

自然の作る事なので、このまま様子を見たいとおもいます。

板付けより1ヶ月と2週間後

貯水葉が一回り大きくなってきました。胞子葉は成長していません。

板付けより1ヶ月と3週間後

さらに貯水葉が大きくなってきましたが胞子葉はほとんど成長していません。

板付けより3ヶ月

ここで前々から気になっていたことが、いよいよはっきりしてきました。

それは「向きが間違っている」ということです。

貯水葉が大きくなってくると明らかですね。

そこで、とりあえず「板を横向きにする」作戦にでました。こんな感じです。

もともとある穴を利用して正しい方向にしました。

しかし、円形の板や上下左右が同じ寸法の板ならそのままで構いませんが、この板は盾型の板なので、このままでは格好悪いですから、後日板付けし直すつもりです。

数日後、時計回りに90度、回転させ、水苔も少し増やして板付けしなおしました。修正前と後の比較の写真をご覧ください。

右回りに90度回転

貯水葉の上からテグスでしばっていますが、すでに次の貯水葉が出てきていますので、その葉がやがてこのテグスを覆ってくれるでしょう。

板付けし直しから20日

右側の可愛い貯水葉がだんだんと大きくなってきています。超楽しみです。

板付けより5ヶ月

昨年の秋に板付けをしてから5カ月が過ぎました。

寒い冬を乗り越えて、いよいよ成長期の春~夏を迎えます。

下の写真をご覧ください。

右側の貯水葉がすっかり大きく広がって、板付けをし直した時に露わになっていたテグスを、きれいに覆ってくれました。わーい!!

5ヶ月のビーチー

写真ではわかりにくいですが、新しい胞子葉が一枚、出てきました。

でも、従来からあった胞子葉はなかなか成長してくれません。

また、ビカクシダ独特の胞子葉の先が分かれる現象もまだ見る事ができていません。日照不足か!?

夏場の成長に期待します。

成長点まわり

上の写真は5ヶ月時点での成長点の周りの拡大写真ですが、前からあった胞子葉が貯水葉の広がりを邪魔してしまって、貯水葉が曲がってしまっているところです。

邪魔している胞子葉を落とすべきだったのかしら?と思いつつ、自然に任せ、このまま観察を続けていきます。

板付けより6ヶ月

暖かい季節になってきました。

胞子葉の先端が割れてきました。また、貯水葉の先端がひらひらと波打ってきましたね。

6ヶ月のビーチー

板付けより7ヶ月

おっと、ここでまた、トラブル?発生です。

3ヶ月前に株を回転させたこの株ですが、近ごろ成長点が動き始めました。

多分、胞子葉ですよね?一番左にあります。

成長点は前のを足場に踏みながら、上に上に向かって成長してきます。

・・という事は、左が上ですよね?

ところが、そうはなっていなかったんです。⇩ほらね。

新しい胞子葉の根元が下になっています。

ですから、また、ワイヤーを吊るす位置をかえることにしました。

今度こそ、正しい位置でしょうか?だんだん自信がなくなってきました。(汗)

今回は板付をし直さず、様子を見る事にしました。

また、かわるかもしれませんからね。(汗)

この板は360度、穴が開いているので便利です。

さらにトラブル発生!!

ちょっと大げさでした。実は、5ヶ月目の頃から気づいていましたが、貯水葉が胞子葉3枚をぐいぐいおして、胞子葉が窮屈そうなのです。

以前は「自然に任せて見守る」つもりでいたのですが、あまりにも窮屈そうで可哀そうに思えてきたので、思いきって胞子葉を圧迫している貯水葉の一部分をカットすることにしました。

貯水葉が盛り上がっている部分に切り目を入れて、剥がしていきます。

貯水葉は分厚くて、水を含んでいて、網の様な組織になっていました。

切り口の写真です。

もう少し根元の部分まで切り取ってみます。

あ!!

メインの成長点とは別にもう1つ成長点があるようです。

そこから新しい胞子葉がでていますが、貯水葉におされてぺったんこになっています。

しかも、逆向きにぐにゃりと曲げられていて、大丈夫かな~?という感じです。

小さい時に傷ついた葉は、ダメージを抱えたまま大きくなりがちです。

なんか、大手術したみたいに、傷口が痛々しいですが、圧迫から解放された3枚の胞子葉と、赤ちゃんの胞子葉は、楽になったはずです。

開いてみてよかった~。

今回、もう一つ悩みがあります。

それは、株の上がどこなのか?

まだ確証がありません。

本来ビーチーは、日に向かって胞子葉を上にピンと立たせるらしいです。

私が、上下を迷いながらくるくる回していると、ビーチーもどちらに向けて葉を立たせていいか分からなくなりますよね。

早く決めて、上からLEDを当てなければ・・・焦る

モフモフの成長点を上に持ってくると、この角度になります。

でも、大きい葉は下向きです。新しい葉が上を向いているので、こちらに期待するべきなのでしょうか?

ごめんね、ビーチー。優柔不断で・・・

これでしばらく様子を見ていきます。

板付けより8ヶ月

横から見た様子です。

ビカクシダの成長点は従来の葉の上に上にと展開していくので、横から見ると、葉が積みあがったように見えます。

従って黄色い矢印の指す方が上ですよね。

この向きで、板付けし直しました。

但し、今回は丸い板を用意しました。

丸い板だと吊るすワイヤーを修正するだけで、向きをかえられます。

ビカクシダ初心者にはおすすめの裏ワザです。

直射日光は当てていませんが、日差しの弱い日には、植物用のLED照明をあてています。

ビーチー特有の葉の表面の白さを出す為です。

板付けより1年2ヶ月

最初の板付けから1年過ぎた頃から、貯水葉の上の部分が伸びて、割れ目が現れました。かっこよくなってきましたね。

ついに株分けの日が来た!

実はこの株には成長点が2個あって、その事は板付けから7ヶ月頃の記事にも書いています。

近ごろ、いよいよ第2の成長点からの胞子葉が大きくなってきて、またメインの成長点から展開している貯水葉も大きく展開していて、互いに圧迫しあっているのが気になってきました。

そこで、それぞれの株は成熟していると判断して、思いきって株分けをすることにしました。

一旦、株全体を板から外して・・・

子株の方の根をできるだけ多くつけられるように気をつけて・・・

切り離します。

メインの株は、新しい水苔をましましにして、盾形の大きい板に付けました。

子株はもともとの丸い板に付けました。

はい。すっきりしましたよ。

1株買ったビーチーが2株に増えて、お得感ありますね。

この記事は日々進化していきます。

今後もビーチーの、葉の成長過程を載せていきますので、どうぞお楽しみに。

タイトルとURLをコピーしました