ビカクシダをコルクに板付けする方法

ビカクシダの板付け 育成ノウハウ

この記事を読むと、ビカクシダの板付けについて理解できます。

ビカクシダといえば、板付けされた姿で目にすることが多いと思います。壁にかければ場所も取りませんし、インテリアとしても存在感がでて良いです。また自生環境に近い姿(樹木などに着生している)になるので育てる上でも板付けはおすすめです。

今回は苗で購入したものを板付けにする方法をまとめました。ぜひ参考にしてください。

ビカクシダの板付けは2日間かかり、目次にザックリとした全工程を載せています。

水苔の準備だけ時間がかかるので、板付けする前日に行ってください。

用意するもの

  • ビカクシダの苗
  • 着生材(コルク)
  • 水苔
  • ベラボンチップ
  • テグス
  • アルミ線
  • キリ
  • 肥料

筆者が以前に書いた「板付ビカクシダの生育に必要な資材についての記事」に、それぞれの物品について、用途や購入方法がまとまっています。ぜひご覧ください。

水苔とベラボンの準備(前日に行いましょう)

水苔とベラボンを水で戻す方法は調べれば色々でてきますが、私は下記の手順で行っています。

  • 水苔を必要分取り出し、洗面器に入れ水を注ぎ手で揉む。
  • 水をひたひたにはり、一晩放置する。
  • ベラボンも別の容器で水に一晩つけておく。

時間がないときは手っ取り早く、水に浸して手でギュッと絞って使いたくなってしまいますが、水苔が固いままになってしまい板付け後の根張りがよくありません。

水苔の量は多ければ、水持ちがよくなり、根の張るスペースが広いため大きく育ちます。水やりの頻度やどういう姿に仕立てたいかで決めましょう。

コルクの準備

サイズが大きい場合は分割しましょう。のこぎり等で分割するか、手で割れば自然な仕上がりになります。
板付後吊るすための針金を通すので、前もって穴を開けておきましょう。

ビカクシダの準備

・ポットからビカクシダを外す。
成長点を傷つけないようにポットから植物を外してください。
水で洗い流すなどして、土はできるだけ落としましょう。
根が成長しすぎてて、板付するときに形が作りづらい場合は根はカットしても大丈夫です。
成長点を傷つけないようにしましょう。

ビカクシダの方向を確認する(重要)

板付けする方向は成長点の向きを確認しましょう。

まずはビカクシダの葉っぱについて簡単に説明します。
胞子葉・・・前に飛び出るように生える葉っぱ。役割は光合成・株が大きくなると胞子をつける。
貯水葉・・・自身の根本を覆うように円状に広がる葉っぱ。役割は水を貯めること。自然界ではそこに落ち葉や虫が溜り栄養になっている。
成長点・・・葉の根元にあるモフモフした部分。すべての葉はここから生えてくる。

成長点

板付けのときには成長点を上にもってくることが大切です。

向きの確認は下記の3点を参考にしてください。
①胞子葉の根本が下、成長点が上。成長点は成長にしたがって上に移動していきます。

②貯水葉がきれいに広がることをイメージすると良し。
例えば、貯水葉を上にもってくると、貯水葉が成長するとすぐに板にぶつかってしまう。
水苔を盛って、ど真ん中にビカクシダを植えましょう。

③貯水葉は成長点から左右に生えてきます。ポット苗の場合は貯水葉がそうなってないときもあるんですが、目安にはなると思います。

すでに貯水葉が育っている苗

上記3点を意識すれば板付の向きは大きく間違えることはないと思います。多少のズレは生長に伴って修正されます。

ビカクシダの植える向きが決まれば板付開始です。

水苔・ベラボンとビカクシダをセットする

まずはコルクの中心にベラボンを盛り、それを覆うように水苔を盛ります。
その上にビカクシダを置きます。
貯水葉がきれいに広がることをイメージして水苔を根本を中心に足していきます。
水苔はある程度強く押しながら形を整えます。手を離しても大きく形が崩れないくらい。

水苔に沿って貯水葉は生長していくので生長後の姿を想像して形をつくっていきましょう。

テグスを巻く

テグスで巻いていきます。
最初の数巻きでビカクシダの成長点の下あたりを巻けば板とビカクシダの位置が固定されやりやすいと思います。
あとは水苔を保持するようにテグスをぐるぐる巻いて行きます。

テグスはしっかり目に巻いてください。

  • 盛ってある水苔がぺっちゃんこになる→力を入れすぎです。根が張る隙間を残してあげましょう。
  • 水苔がボロボロ落ちる→ゆるすぎです。もう少し強く縛りましょう。
  • 角度にも気をつけましょう。下の写真は向きを失敗しています。成長点は上にありますが、葉が下を向きすぎているのでもう一度巻き直しです。もっと葉が前に飛び出すようにセットする方がいいです。
失敗例
しかくん
しかくん

ここで、ちょっとしたコツについて。私も初心者の頃は、テグスをコルクの裏側で結んでいたけど、だんだん慣れてきて「貯水葉が大きく育つとテグスは見えなくなる」という事にきづいてからは、表で結ぶようになりました。そうすると、水苔をこんもりと盛り付けたまま結べるので、とても作業がしやすいんだよ。いったん葉の下の方を巻いて一結び。場所を変えてもう一結び。ある程度、固定されたら、締めながらグルグルと巻いていけばきれいに仕上がります。巻きながら水苔がボロボロ落ちるというのは、初心者あるあるですね。

仕上げに、テグスの隙間に水苔を絡めるように詰めていけばいいですよ。

こうもりん
こうもりん

なるほど。経験しながら上達していくんだね。

貯水葉が大きく展開している場合は上からテグスを巻いてもいいです。
葉の上にテグスが来て可哀想ですが、次の貯水葉のことを考えて巻いていきましょう。次の貯水葉がきれいに展開するとテグスを隠してくれます。

下の写真はかなりいいですね。きれいに巻けました。葉の向きもいいです。

板付け完了

肥料をセットする

この辺で、固形肥料を上側に入れてください。マグアンプならひとつまみ(小さじ1/3)くらい。水やりのたびに溶け出すようにします。
水苔で覆えば見た目も気になりません。
肥料が多すぎると植物に負担がかかってしまうので、最初は少なめにしておけば安心です。

マグアンプ

コルクに針金を通す

壁にかけるための針金を通せば完成です。
S字フックなどでもかまいませんが、針金だと形を変えられ色んな所にかけられるのでおすすめです。

最後に

以上、板付けのやり方でした。慣れるまでは少々大変かもしれませんが、この記事の手順どおりやっていただければ生長には問題ないと思います。

好みのビカクシダの仕立てを参考にしたり生長後の姿を想像して板付けするのは楽しいので、ぜひ板付けにトライしてみてください。

その後の成長の様子

約2週間後

約1カ月半後

約2カ月半後

約9カ月後

こんなに立派に育ちました。

コメント

  1. […] ビフルカツムの板付けについて書いたこちらの記事をご覧ください。 […]

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