ビカクシダ(ビフルカツム)生育の環境について

育成ノウハウ

「ビフルカツムの育ちやすい環境とは?」

「ビフルカツムはもともとどんな環境下の植物なの?」

そういう質問にお答えします。

ビカクシダイアリーへようこそ。

この記事は、ビカクシダ、中でもビフルカツムの原産地の環境を理解し、自分のビカクシダ生育のヒントを得る、そういう内容になっています。

ビフルカツムの原産地

ビフルカツムは、原産地の分類としては「オセアニア」グループに属するビカクシダです。

ちなみに、他のグループには、

南アメリカ、アフリカ、東南アジア、の3つのグループがあります。

現在18種類のビカクシダが、その中のどれかに属しています。

オセアニアとは・・

学生時代に習いましたね。おさらいしてみましょう。

オーストラリア大陸、ニュージーランドを含むポリネシア(ニュージーランド、キリバス、サモア、ツバル、トンガ等)、ニューギニアを含むメラネシア(パプアニューギニア、フィジー、ソロモン諸島、バヌアツ等)、そしてミクロネシア(ミクロネシア連邦、パラオ共和国、キリバス共和国等)の14か国を指します。

ビフルカツムは、オーストラリア東部原産

オーストラリア東部には、グレートディヴァイディング山脈があり、その地域は「東部高地」とよばれています。

オーストラリアの地図を見てみましょう。

オーストラリア東部というのは、主にクィーンズランドに含まれます。

赤丸のところが、①ケアンズ。②タウンズビル、③ブリスベンです。

青の斜線がグレートディヴァイディング山脈です。

「世界で最も乾燥した大陸」とよばれているオーストラリアですが、このグレートディヴァイディング山脈の東側は生物が住みやすい環境となっています。

全長3700㎞に及ぶこの山脈に海からの湿った空気がぶつかり、雨となります。そのため、山脈の東側には豊かな緑が広がっています。

ビフルカツムの故郷の様子が思い浮かべられますね。こんな感じでしょうか。

オーストラリアの気候帯

気候帯はどのようになっているでしょうか。

オーストラリアは南北に長く、内陸部は砂漠なので、いくつかの気候帯に分かれます。

北部は熱帯雨林気候・緑の部分。

その下が熱帯性気候・ピンクの部分。

真ん中が砂漠性気候・オレンジの部分。

その左右に亜熱帯性気候・黄色い部分。

南部が温帯性気候・青い部分。

このうち、ビカクシダが自生するのは、熱帯性気候、亜熱帯性気候です。

熱帯雨林気候区(赤道多雨気候)は

日射が強烈に強く、風も少ない、年間の気温の変化が少なく、年中雨が降っている、熱帯雨林のジャングル・・。

年中暑苦しくジメジメしているのは、ビカクシダの好きな環境ではありません。

次に

熱帯地域とは…

熱帯地域は、赤道付近で、年間の気温が平均20℃以上、最も寒い月でも気温が18℃以上である地域をさします。

そして

亜熱帯地域とは…

亜熱帯地域とは温帯地域のなかに含まれていますが、温帯地域の中でも熱帯に近い地域をさし、年間平均20℃以上の月が4ヵ月~11ヵ月ある地域のことをいいます。

日本では、四国や九州の南部、沖縄などがこの亜熱帯地域となります。

熱帯性気候に属するケアンズの気候

では、熱帯地域の代表として、今回はケアンズの気候を見ていきましょう。

まず、オーストラリアは日本と四季が逆になっています。

ケアンズの気候について

クイーンズランド州北端にあるケアンズには、はっきりした四季はなく、雨季と乾季に大別されます。

雨季は夏に当たる12〜3月頃で湿度が高いです。

雨季といっても、日本の梅雨のように1日中降り続くことはありません。

1日の中でも天気が変わりやすく、夕方には激しいスコールに襲われることも多いです。

冬に当たる6〜8月は過ごしやすく乾燥しています。

冬といっても最低気温は16℃前後。

年間の平均最高気温は29°C、湿度は62%です。

クイーンズランドの湿潤熱帯地域(しつじゅんねったいちいき)

ケアンズはオーストラリアのクィーンズランドに属します。クイーンズランドにはユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録された湿潤熱帯地域(しつじゅんねったいちいき)があります。

ビカクシダはそういった豊かな自然の中で自生しているのですね。

登録された主な地域は

  • ディンツリー国立公園
  • ブラック・マウンテン国立公園
  • バロン・ゴージ国立公園
  • ウールーノーラン国立公園
  • シダー・ベイ国立公園
  • カーテン・フィグ国立公園
  • クレーター・レイクス国立公園
  • タリー・ゴージ国立公園
  • ギリンガン国立公園
  • パルマ・レンジ国立公園 等

これらの公園の様子から、ビフルカツムの自生する環境が推測できます。

ビフルカツムの原産地の情報については以上です。

日本で生育する場合の環境設定

さて次は、具体的に日本で生育する場合、どのように環境を整えていくかです。

私の目標としては、原産地の環境に近づける事です。

栽培の仕方については、いろんな栽培主が、いろんな情報をだしていて、どれも役に立ちそうです。しかし、栽培環境は人それぞれなので、最終的に自分がどのようなスタイルで育てるかは、自分でデザインしないといけません。

育て方を、ある程度ルール化してから生育を始める事をお薦めします。そしてうまくいかなかったら、問題点を見つけて、対策を講じればいいと思います。

栽培前に自分できめること

  • 栽培の方法(板付け、苔玉、鉢植え)
  • 栽培の場所(戸外、室内)
  • 水やり方法とタイミング(潅水、シャワー、葉水)
  • 日に当てる方法と時間(直射日光、日陰、室内、ライト)
  • 風を当てる方法と時間(自然、サーキュレーター)
  • 肥料のやりかた(液体肥料、固形肥料)
  • 温度管理(最低温度、ヒーター使用か否か)
  • 冬越しのさせ方(室内へ取り込む時期、冬場の水やり)

上のように、いくつかの項目に、いくつかの選択肢がありますので、それらを組み合わせれば、生育の方法は何百通りもあるという事になります。

私の場合は次のようなイメージとスタイルで育てることにしました。

ビカクシダイアリー管理人の場合

ビフルカツムは、もともと熱帯の植物。

そのため、生育はできるだけ熱帯の環境に近づける。

ビフルカツムは樹木の比較的高いところに着生して、激しいスコールと強い日差しを受け、風通しのいい環境を好みます。シダの仲間ということで、じめじめしたイメージですが、実は日当たりのいいのを好むとされています。またビカクシダは疎林にしか見られないと言われていますので、明るい場所においても大丈夫です。

年中室内栽培。

最低室温を18度に設定。

夏場の高温はノンコントロール。

一日中サーキュレーターで弱い風を当てる。

朝と昼間はガラス越しの日光。

午後以降は室内の日陰。

天気の悪い時は植物用LED照射。

夜中の照明はなし。

主にコルク板付けなので水苔が乾きやすく、乾いたら潅水。

潅水をしない時も、葉水を一日二回程度行う。

肥料はいまのところマグァンプK。今後、液体肥料を検討中。

マニュアルでは

冬場は気温が下がると、成長もとまるので、水は控えめに、乾かし気味で育てます。

とありますけど、我が家は冬場でも、日中の室温がわりと高いので、水苔が乾けばたっぷりと水をあげるというスタンスでいきます。

ビカクシダは育てやすさで人気がありますが、その育てやすさとは、

ビフルカツムは寒さ・暑さにも強く、環境能力にも優れている為、管理は容易です。屋内でも元気に育つし、冬越しも比較的容易です。

ということです。

温度に関しては、普段は10度以上、最低でも温度5度を下回らないようにすれば大丈夫のようです。

こうもりん
こうもりん

よろしくお世話してください。

しかくん
しかくん

管理人さん、頼りにしているよ。

いかがですか?

ビフルカツムの特性をとらえつつ、あなたも、自分のうちの栽培環境にあった育て方のルール作りからやってみましょう。

自分の育て方をルール化することによって、うまく成長しない時に、どこを改善すればいいのか、対策をうちやすいと思います。

では、育成中のビフルカツムが立派な姿になるよう、お互い頑張りましょう。

最後までお読み下さりありがとうございました。

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